社内のAI活用は進んでいる。でも、広報担当者の仕事は本当に楽になっているか?

「うちは広報、もういるので」

広報のAI活用支援をご提案すると、よくこう返ってきます。「広報担当はもういます」「内製化しているので大丈夫です」。

最初は断られたと思いました。でも、データを見直して気づいたのです。広報がいて、すでに内製化している会社こそ、AIで困っている可能性が高い。困りごとは「代わりにやってほしい」ではなく、「使いこなしたい」の方にありました。

導入77%、でも定着は18.3%

日本広報学会の第2回調査(2025年10〜11月、広報関係者104件)では、広報部門の生成AI導入済み層は77.0%に達しました。前回調査の37.2%から倍増以上です。

ところが内訳を見ると、景色が変わります。

状態割合
定着している18.3%
導入し、定着を模索している58.7%
出典:日本広報学会「第2回 広報における生成AIの活用実態調査」

導入した広報部門の大半は、まだ「模索中」なのです。

AI時代の発信対策も同じ状況です。IDEATECHが、調査PRを実施したことのない従業員300名以上の企業の広報・PR担当者207名を対象に行った調査(2026年3月31日〜4月2日)では、生成AIの回答に自社情報が引用されることを「強く意識し、対策済み」の広報担当者は10.6%。「意識しているが、具体的な対策はまだ」が41.5%でした。

定着をはばむ3つの壁

同じ広報学会の調査では、導入後に浮上した課題として、運用体制の整備と、表現の独自性・人間味の維持が挙げられています。不安は正確性、機密性、知財侵害に集中しました。

現場の言葉に置き換えると、こうなります。

  • 誰が、どの業務で、どう使うかが決まっていない(個人の工夫どまり)
  • AIっぽい文章になり、自社らしさが消える
  • 間違いや情報漏えいが怖くて、任せきれない

どれも「ツールを入れれば解決する」問題ではありません。業務の流れの中に、AIの置き場所を設計する必要があります。

「代行」ではなく「内製化支援」

広報担当者がいる会社に、広報の代行は要りません。担当者の仕事と重なってしまうからです。

必要なのは、担当者がAIで強くなる仕組みです。業務を洗い出し、AIに任せる部分と人が判断する部分を分ける。自社らしい文体や判断基準をAIに渡せる形にまとめる。そして、チームで回るまで一緒に試す。

広報の仕事を奪うのではなく、広報チームがAIで回る状態をつくる。これが、内製化している会社にとっての本当の支援だと考えています。

広報担当者が今日からできる3つのこと

  1. AIに任せる業務を1つだけ決める
    プレスリリースの初稿、取材メモの要約など、毎週くり返す作業から選びます。
  2. 「自社らしさ」を1枚にまとめる
    よく使う言い回し、使わない表現、トーンを書き出し、毎回AIに渡します。
  3. 自社がAIにどう答えられているか確かめる
    ChatGPTやPerplexityに自社名やサービス名を聞いてみてください。古い情報や誤りが出たら、それが発信の次の課題です。

おわりに

「広報はもういる」は、断り文句ではなく出発点でした。担当者がいるからこそ、AIで伸びる余地があります。

Previssでは、御社の広報チームがAIで回る仕組みづくりをお手伝いしています。まずは無料の「自社がAIにどう見えているか診断」から、お気軽にどうぞ。

(伴 麻里|AI広報・マーケ)

出典

投稿者プロフィール

伴麻里