AIOのために、SNSは必要ですか?

「AI検索に対応したいので、SNSも始めたほうがいいでしょうか」
最近、よく聞かれます。

結論から言うと、AIに引用されることだけを考えるなら、SNSの優先度は高くありません。ただ、これは「SNSに意味がない」という話ではありません。役割が違う、という話です。

用語について

AIO(エーアイオー/AI Optimization)とは、ChatGPTやGoogleのAI Overviewsのような生成AIが答えをつくるときに、自社の情報を正しく読み取って引用してもらうための取り組みのことです。検索エンジン向けのSEOに対して、AI向けの考え方、と捉えると分かりやすいと思います。

GEO(Generative Engine Optimization)、LLMO(Large Language Model Optimization)も、ほぼ同じ意味で使われています。

※いずれも業界で使われはじめた呼び名で、定義が定まっているわけではありません。Google自身は「AI機能に表示されるための特別な最適化は必要ない」としています。

引用されているのは「文章が溜まる場所」

Ahrefsが、ChatGPT・Google AI Mode・AI Overviews・Perplexity・Copilotの5サービスを対象に、日本語圏でAIに引用されているドメインを集計しています。4月と6月の2時点を並べると、こうなります。

順位2026年4月2026年6月
1位YouTubeYouTube
2位Wikipedia(日本語)note.com
3位GoogleWikipedia(日本語)
4位Instagramameblo.jp
5位note.comYahoo!知恵袋
6位―PR TIMES

上位に並んでいるのは、note、アメブロ、Wikipedia、Yahoo!知恵袋、PR TIMES。すべて、まとまった文章が蓄積されていく場所です。

YouTubeが1位なのも、動画そのものというより、字幕や説明文がテキストとして読める形になっているからだと考えられます。AIが引用できるのは、結局のところ、読める文章だけです。

X(旧Twitter)は、2時点とも10位圏外

意外に思われるかもしれませんが、Xは4月も6月も上位10件に入っていません。

1投稿が短く、それ単体では意味が完結しにくいこと。ログインしないと読めない部分があること。理由はいくつか考えられますが、少なくとも「引用元」としては、いまのところほとんど機能していないということになります。

Instagramは、2か月で上位から消えた

4月に4位だったInstagramは、6月の上位10件には入っていません。たった2か月で、これだけ動きます。

順位が固定ではないことはAIに引用される会社は何が違う?まず見直したい7つのことでも書きましたが、ここまで変動する場所に、限られた時間と人手を先に投じるかどうかは、また別の判断だと思います。

では、何から手をつけるか

中小企業がAIに正しく認識されることを目的にするなら、順番はこうなります。

  1. 自社サイト:何の会社なのか、誰向けなのか、料金や対応範囲はどうか。ここが埋まっていなければ、外で何を発信しても材料になりません(具体的な確認項目はAIに引用される会社は何が違う?まず見直したい7つのことにまとめています)
  2. プレスリリース:PR TIMESは6月の総合で6位。ChatGPT単体では2位でした。一次情報として、そのまま引用されやすい形です
  3. note・オウンドメディア:note.comは4月5位から6月2位へ。自社の知見を、自社の言葉で置いておける場所です

この3つで、AIOとして考えるべきことはおおむね足ります。

SNSには、別の役割がある

AIに引用されるためではなく、人に見つけてもらうためです。

プレスリリースを出した直後に届ける。イベント登壇を知らせる。担当者の顔が見える状態にしておく。記者や業界の人との接点をつくる。これはAIが登場する前からある、広報の仕事です。

ですので「AIOのためにSNSを始める」というのは、順番が違うのだと思います。やるなら広報の目的で、続けられる範囲で。少なくとも、自社サイトとプレスリリースより先に手をつける理由にはならない、というのが今のデータから言えることです。

まとめ

  • AIに引用されているのは、文章が蓄積される場所
  • X(旧Twitter)は引用元としてほぼ機能していない
  • Instagramは順位の変動が大きく、先に投じる対象ではない
  • 優先順位は、自社サイト → プレスリリース → note
  • SNSは「AIのため」ではなく「人に届けるため」に使う

AI検索への対応と聞くと、新しいことを始めなければならない気がします。ですが、データを見るかぎり、やるべきことはあまり増えていません。自社のことを、読める文章で、複数の場所に置いておく。それだけです。

関連する記事

参考

  • Ahrefs「AIが引用する日本のドメインランキング 2026年6月版|noteが2位に急上昇」(ahrefs.com)
  • Ahrefs「AI検索が引用するドメイン TOP 10【2026年4月最新版】」(ahrefs.com)
  • Google 検索セントラル「AI機能とウェブサイト」(developers.google.com)
  • Google 検索セントラル「生成AI機能への最適化ガイド」(developers.google.com)

投稿者プロフィール

伴麻里